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トーハン創立66周年記念式

2015年9月18日

トーハン創立66周年記念式

株式会社トーハンは9月18日午後4時より、本社8階大ホールにおいて創立66周年記念式を開催し、あわせて永年勤続者(30年勤続25名)の表彰を行いました。藤井社長の挨拶は以下の通り。


藤井武彦社長挨拶(要旨)

戦後70年の節目である本年、日本の出版業界はかつてない大転換点にあります。新刊マーケットの漸減傾向が続く中、大手ネット書店や大手法人の直仕入などが相次ぎ表面化し、また総合取次の経営破綻が現実化するなど、改めて取次流通のあり方が問われています。我々自身もこの変化を重く受け止め、意識と行動の改革を加速しなくてはなりません。

このような局面で、トーハンが事業を継続し、さらに維持・発展させていくためには、書店店頭の活性化がまず求められます。主軸となる出版物の販売ではTONETS V、TONETS iが日常業務に浸透し、適在適書なども着実にその効果を発揮しております。喫緊の課題である雑誌についても、今まさに抜本的な仕入配本改革が進行中であり、施策の具体化を急ピッチで進めております。

一方、書店店頭に読者を呼び込むため、本年は店頭活性化プロジェクト推進室を設置し、新機軸が次々に実現しております。ほんをうえるプロジェクトも、既刊商品の発掘に始まり、イベント企画などにも活動の幅を広げてきました。店頭客注を強化するため、今年度はトーハン会を中心に約1,300店でブックライナー活用の徹底を図っております。さらにはe-honを中心に、リアルとネットの融合についても進化を図っております。
マルチメディアの展開も加速しております。文具売場のメンテナンスをより簡易に行うために、Vstationeryの文具定番を確立し、文具検定を行い人材教育も進めております。複合売場開発では、nota novaに留まらず、8月にオープンしたセレンディップ明屋書店のように先進的なモデルも生まれています。ディズニーやサンリオといった強力なコンテンツを持つ企業や海外マーケットへのアプローチなども一段と活発化しております。

このように、様々な取り組みが皆さんの手で進められております。トーハン全体として非常に勢いがあり、変化に対しても積極的に挑戦する体勢がととのってきたと思います。将来に対して、確かな手ごたえを感じながら進んでいける、本当の意味で強い企業へと、トーハンは今まさに生まれ変わりつつあると思います。さらにトーハンとして将来を見据え、広く社会全体を視野に入れた企業活動を展開し、物流事業や介護事業などを、トーハングループの新しいコア事業として育てていかねばなりません。

あらゆる企業活動の原点は、三つの経営基本方針①「ガバナンスの利いた正道を歩む経営」、②「風通しの良い職場づくりを目指す活力あふれる経営」、③「一隅を照らす人を大切にする経営」と、三つの行動基準「情熱、挑戦、スピード」であります。
さらに、行動の前提には「正しい考え方」が必要であります。仕事の成果は「考え方」と「熱意」と「能力」、この三つの乗数で決まります。そのため、一人一人が正しい物の見方・考え方を身につけ、本来の力を発揮できるように、年明けに完成するトーハンセミナーハウスも活用しながら、研修のさらなる拡充を進めます。人事制度の面でも、より柔軟な働き方や、女性活用の実現に向け、新しいスキームの検討を進めております。また、ワークライフ・バランスを追求し、今月から営業・事務部門を中心に、完全週休二日制を試験的に導入しました。働き方を見直す契機にして頂きたいと思います。

これからのトーハンをつくり上げていくために、私たちは古い常識や先入観を、いったん手放す必要があります。一人一人が自分の頭で考え、自分から進んで行動することで、必ずやトーハンと出版業界の展望が開かれると確信しております。その源泉となるものは、皆さんの持ち場、すなわち現場にあります。誠実で愚直で一生懸命なトーハンの現場力は、お取引先から一定の評価を頂いていますが、いま求められているのは、誠実で一生懸命でありつつ、新しい価値を生み出す力であります。

トーハンの現場には、まだまだ創造性が眠っていると思います。大事なことは、自分の頭で改革・改善を常に考え、行動することであります。大きな転換の時代には、どうしてもリスクを避けたいと及び腰になりがちですが、心配することはありません。失敗を恐れず、積極的にリスクを取っていこうではありませんか。
創立記念日を迎えるにあたり、自信と確信を持ってトーハンを前に推し進め、次の世代へとつなげるために、私も皆さんとともに、力強く新たな一歩を踏み出していきたいと思います。

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