平成22年度版『書店経営の実態』刊行
平成22年度版『書店経営の実態』刊行
株式会社トーハンは、このほど平成22年度版『書店経営の実態』を刊行しました。
本誌は、書店を企業体・店舗という視点から多角的にとらえた書店経営の指標として、毎年刊行しています。本年度は全国の142企業379店舗の経営資料を集計・分析し、まとめました。編集・販売等の運営業務は、(株)トーハン・コンサルティングが行っています。
今回の調査結果の特徴としては、以下の点があげられます。なお本誌における経営指標においては、企業体を単位として、健全企業は売上高対経常利益率0.0%以上、欠損企業は売上高対経常利益率0.0%未満として分析しています。
(1)売上高伸長率
・売上高伸長率は、健全企業-0.69%、欠損企業-6.36%、総平均-2.94%となり、15年連続のマイナス成長となった。
(2)収益性
・収益性を見る売上高対営業利益率-1.31%は、昨年の-0.50%から0.81ポイントのマイナスとなった。売上高対販売費・管理費率は23.80%(昨年22.89%)、売上高対人件費率は11.86%(昨年11.12%)、粗利益対経費率は105.78%(昨年101.34%)と、いずれも昨年平均と比べ上昇。労働分配率は昨年の51.83%から51.69%と若干の改善はみられたものの、販管費負担の重さがこれらの数字に表れている。
(3)従事者数、パート・アルバイト比率
・従事者数の平均は8.2人で、内訳は社員3.0人、パート・アルバイト5.2人となり、パート・アルバイト比率は63.4%。このパート・アルバイト比率が80%以上の企業は、全体の10.6%を占める。
(4)「書店経営における先行き・見通し」について
・依然として厳しい状況は続いているとはいえ、国内の景況感、自店の景況感はともに、「下降する」と感じている割合は昨年の88.2%から64.7%に下がっている。従業員、パート・アルバイトの人数は、「不変」の割合が高く、現状維持で店舗運営をすすめていくという意向が伺える。
(5)書店経営、店舗運営の中で感じる「書店を取り巻く変化」について
・少子化・高齢化が、自店の客層にも影響を及ぼしていると感じている店舗は全体の約9割。その店舗への具体的影響としては、高齢者向けの健康に関する商品に対する問合せが増えているというプラス面がある一方で、少子化による幼年誌、学年誌や学参・辞典、児童書の売上げ低迷、高年齢顧客の来店頻度の減少、高年齢顧客の定期購入の停止といった「売上げ低下」への影響が多数を占めている。しかし、そのような中でも、顧客を確保するための施策を展開している店舗は数多く見られた。
・来店客の「マナーの悪さ」については、「マナーが悪くなった」39.4%が「良くなった」2.9%を大きく上回った。「万引きの増加」も、「増えた」21.4%が「減った」20.2%を上回り、店舗運営に深刻な影響を及ぼしている現状が伺える。
・来店客の商品購入については、「立ち読みだけの場合が増えた」「店内の滞在時間が短くなった」と感じる店舗が多くみられるが、一方で「商品の見せ方」次第で売行きがアップすることを実感している店舗も多く、フェア展開やコーナー作りに力を入れているという意見も多数みられた。
・「電子書籍端末」の注目度が高まっていることに関しては、「脅威となる」と漠然と感じてはいるものの、まだ業界全体の様子がつかめないため何とも言えないとの意見が大多数を占めた。
■発行 トーハン 編集 トーハン・コンサルティング
■判 型 B5判 71ページ ■頒 価 1,470円(税込)
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